介護スキルを磨くためのキャリアラダーについて

介護業界の各団体では、キャリアラダーを提案しています。全国的に見ると、まだ取り組みの徹底がされているとは言い難い現状ですが、各団体でキャリアラダーを作成し、介護職の研修をしているところは増えてきています。

新卒者研修からマネジメントまでを具体的に示している一例では、レベル1は新卒者研修を受け到達目標は「指導を受けながら介護を実践できる」と定め、レベル2では、認知症介護実技研修や介護福祉士向けの研修を受け、「自立に向けた介護が実践ができる」ことを到達目標にしています。また、レベル3では介護リーダー研修を行い、「チーム内でのリーダーシップの発揮」を目指し、レベル4では介護管理者研修などで組織の理念や方針を理解し、「利用者の観点でフロア運営を補佐できるレベルになる」を目標にしています。さらにレベル5になると、自分自身の介護観に基づき、目標達成に向けて「介護の質の向上に努める」をテーマに掲げ、ジェネラリストとしての成長をサポートします。

これは、あくまでキャリアラダーの一例に過ぎませんが、介護スキルの向上と人間関係の構築、施設運営や管理、新人の教育と研修という、それぞれの領域の視点で構成された内容になっています。今後は介護職のリーダに向けて期待する内容は幅広くなり、多様に高度化していくことが予想されます。しかも、医療依存度の高い利用者の増加にともない、リーダークラスは感染予防対策なども今後は積極的に担う必要がでてくるでしょう。また、職業倫理の教育の必要性も高くなり、リーダーには段階的、組織的な判断能力が求められるようになるため、キャリアを構築していくためには、さまざまなことを学ぶ必要があります。